
『リバーズ・エッジ』オリジナル復刻版表紙
**【コメント】**作者の長編第10作目にして最高傑作。岡崎個人の最高傑作であるだけではなく、日本のコミックがたどり着いてしまった一つの極限。いや、コミックのジャンルすら超える正真正銘の名品。少なくともこの10年間、日本の現代文学にはこの作品を超えるような収穫があったろうか? コミックは文学を越えた。「こういうのにあげれば芥川賞も落ち目にならないのに」と関川夏央が皮肉れば(京都精華大学『木野評論』臨時増刊号「文学はなぜマンガに負けたか」)、芥川賞受賞者石原慎太郎東京都知事は「近頃の新人作家なんか目じゃねぇや」と太鼓判(石原慎太郎インタビュー@『ダ・ヴィンチ』2001年12月号)。あの先天性罵倒症の山形浩生も貶す言葉を失い茫然自失(『CUT』1996年2月号)。もう、みなさん、大変です。騒ぎはますます大きくなるばかり。岡崎が嫌いだ!と叫ぶあなたも、これだけは読め! **【お話】**ハルナは東京の下町に母親と二人で暮らす高校生。荒廃した都会の片隅のゴミ溜のような学校で、それでも一見屈託のない青春を謳歌しておりました。ボーイフレンドの観音崎君との仲は怪しくなり始め、この頃は同じクラスの美少年、山田君に心を惹かれています。山田君はおしゃれで女の子のような顔をしたかわいい男の子ですが、それ故に、クラスの男の子から虐められています。しかし山田君には秘密がありました。何と彼はホモで(やっぱりね)、その上「死体愛好家」だったのです。山田君とハルナの関係を疑いしつこくまとわりついてくる観音崎君。ハルナを「落とす」と決意して着々と近づいてくる下級生の美少女、吉川こずえ。こずえちゃんは、売れっ子のモデルですが、レズで拒食症でその上「死体愛好家」で、山田君とは「変態同盟」を結ぶ同志でした。山田君がホモのカモフラージュにつき合っていた田島カンナも、ハルナと山田君の関係を疑ってハルナを付け狙い始めます。危うしハルナ! ポスト・バブルの廃墟を舞台に繰り広げられる夢無きメルヘン。日本文学よ、奮起せよ! 君はこの挑戦に応えられるか? **【書誌】**●初版:宝島社1994年6月20日(ISBN4-7966-0825-7)●愛蔵版:宝島社2008年10月9日●オリジナル復刻版:宝島社2015年6月10日●Kindle版●初出:月刊CUTIE1993年3月号~1994年4月号連載 (1999.06.07新規・20211124更新)
*参考:clique インタビュー「リバーズ・エッジ」を作者自ら語った貴重なインタビューがネット上で読めます(ソース:雑誌「クリーク」1995年4/20号)(20000706追加)