初出「フィールヤング」1994年2月号(短編集「エンド・オブ・ザ・ワールド」祥伝社1994収録)高校生のミーナとユーヤは美女と美男の優等生カップル。その嫌味なほどの完璧ぶりはときに周囲の反感をかうほどでしたが…みんなは知らなかったのです。ミーナがテレクラで知り合った厭らしいオヤジと会瀬を重ねSMプレーにふけっていることを。怪しげなクスリの売買に手を出して小遣い稼ぎをしていることを。或いはユーヤと一緒に美人の堂本先生を3Pに誘い、そのときの写真をネタに執拗な脅迫を続けていることを。…そんなミーナも家に帰ると、何故か、妙におどおどした地味目の女の子に変身してしまいます。「…お母さん、どうして何もきかないの!! どうして何年も同じパジャマ着てんの? カルチャーセンターや友達とランチ食べに行くときには高い(でもへんな)服着てくのに… お父さん、どうしてこの家にはへんな出窓があるの? ヨーロッパの家でもないのに…」 取り繕われた「日常」に対する「憎悪」に駆り立てられ「暴走」を続けるミーナでしたが、そんなとき、彼女の脳裏に決まって蘇る一つの光景があります。それは、幼い頃、溺れかけながら海の底から見上げた「水の中の小さな太陽」でした…「あとがき」で作者自身が語るように、少ない枚数にあまりにも多くの材料を詰め込み過ぎたかもしれない。或いはその「材料」そのものがあまりにも「観念的な作り物」であったかもしれない。しかし、その「勇猛果敢さ」において強い印象を残す「誇るべき失敗作」。(20010207追加)★bbiw V