
岡崎京子『それいゆ』収録短編集『ヘテロセクシャル』表紙
**【コメント】**岡崎の「大島弓子趣味」がもっとも発揮された短編。私は「岡崎教徒」に改宗する前は「大島教徒」だったのでこれを推す。quiz 氏の岡崎ページで指摘されているのを読むまで、迂闊にも岡崎の大島弓子への傾倒ぶりを意識することが出来なかった。自分があんまり大島弓子を好きなんで、岡崎があちこちで引用しているのを見ても当然のことのような気がしていたのかもしれない。分かる。分かるッス。これは中期から後期にかけての大島弓子の世界そのものッス。(万が一、あなたが「大島弓子」を知らないのだったら、こちらのページを参照のこと。アプローチが自分とは全然違うんだけどな…。いつか作ろう、自分の大島弓子ページ…) **【お話】**病気のお父さんと、高一の妹、小五の弟を抱えたチカちゃん(22歳)はOLをしながら家族の生活を支えておりました。お母さんは生活に疲れ果て四年前に家を出て行ってしまったのです。泣かせる話ですね。家族のために自分の全てを犠牲にしてしまったチカちゃんの唯一の慰めは、深夜の台所で飲む日本酒。あの優しい酔い心地だけが、彼女の苦しみと孤独を癒してくれるのです。そんなある夜、偶然かかってきた間違い電話がきっかけで「大学生の山田君」と「電話友達」になりました。互いに声だけしか知らないのをいいことに自分を17歳の高校生と偽って悩みをうち明け始めたチカちゃんでしたが…。 **【書誌】**●短編集「ヘテロセクシャル」(1995.12.16角川書店ISBN4-04-852503-4)収録●新装版2004.03.01●Kindle版2014.09.26●初出「ヤングロゼ」1993年10月号 (1999.06.15新規追加)