初出「Me-twin」1987年8月号~1990年5月号(単行本:講談社上巻1989.8.11、下巻1990.4.23、合冊完本1996.7.23)バブル期に三年近くに亘って雑誌連載されたエッセイ的連作短編。バブル世相観察記の色彩が濃厚。私見によれば岡崎作品の変遷を知る上で鍵となる重要作品。岡崎はこの連載の最中に、身辺雑記的な叙情作家から、社会的視野を持つ作家へと脱皮した。詳細については「推薦作品」のページを参照のこと。(19990806新規追加)★bbiw V 各話の概略は下記の通り。括弧内の数字は曜日と日付の組合せに基づく推定年(原題には無し)。

  1. FRI.10th,July(1987)**「ぐれるハイレッグ」**高校時代マン研でガンダムウーとかうなってた鈴木充子が結婚したと知って逆上したサカエは全てを投げ打ってケがはみ出るようなハイレッグ水着を買うことを決意する。尚、1996年の合冊完本では「ぐれて物欲」に改題。(2003.10.28追加)
  2. SAT.8th,Aug.(1987)**「ナイトクイーンは今?」**アザブのナイト・クイーンと言われた山田貴美子さん24歳がケッコンというゴールに目出度くたどり着いてから早一年。しかし彼女を待ち受けていたのはソウジ・センタク・ゴハン作りが延々と繰り返されるだけの「日常」だったのです…(2003.10.28追加)
  3. THURS.10th,Sept.(1987)**「早起きは3人のトク?」**1996年の合冊完本では「早起きしたいの」に改題。「いま 午前中がトレンディ・タイム」などとテキトーな記事をでっち上げる雑誌編集者のミヤちゃん。「こんなの本気にすんのいないわよー いたら大バカよお」と居直る。(2003.10.28追加)
  4. THURS.15th,Oct.(1987)**「明日なき衝動買い」**閉店間際の丸井に「ちょっくら流し」に入ったサカエはゴージャスなコートと恋に落ちた…
  5. MON.16th,Nov.(1987)**「デパートは花ざかり」**女の職場、花のデパートガールのなっちゃんはお中元のバイトに来ていた早大生のあっちゃんをしっかり彼氏にしてしまった上に、グルーピーなお客さんが付いていてたまに食事に誘われたりしてたのです。「このプレイガール!!」「だってお客様ですもん。でも あっちゃんにはナイショね」(2003.10.28追加)
  6. SAT.2nd,Jan.(1988)**「新年ジタラク始め」**バイト先の男の子からデートに誘われたサカエ。買ったばかりの新しい服を着ていきたいというだけの理由で応じたものの、約束の場所は今週のカタログ雑誌に紹介されていた「話題のスポット」で、彼は「タキシード」を着て待っていたのです。その上、食事中に花束は届くし、あまりの恥ずかしさに逃げ帰ってきたのですが…典型的なバブルの光景。そのトンマな世相の中でも、岡崎は「正気」だった。(2003.10.30追加)
  7. WED.20th,Jan.(1988)「風呂上がりの大空に」「センスの悪いすっげえブス」が自分の憧れのワンピースを着ているのを目撃してしまった「日本一の洋服バカ」サカエは、ショックのあまり、洋服を買うことをやめると宣言。替わって目指すは「風呂付きアパート」。 尚、題名は「風呂上がりの夜空に」からか?(2003.10.30追加)
  8. SUN.14th,Feb.(1988)「バニーガールでごめんなさい」「風呂付きアパート」を目指すサカエ。志を立てれば春物のワンピースもただの布きれにしか見えないと豪語。勤労意欲に駆られ「バニーガール」の夜のバイトを始めるが、シリを触ったオヤジを張り飛ばしてたちまちクビ… (アシをしていたらしい)よしもとよしともが下絵を描いた酔っぱらいのスケベオヤジの絵(合冊本p.57)にも注目。(2003.10.30追加)
  9. MON.13th,Mar.(?)**「動物園でささやいて」**春の動物園に出かけた三人娘。人間も、動物みたいにキチンと決められた時期にだけ発情してれば煩悩が減るのに…との結論に達する。尚、1988年の3月13日は日曜日のはずなのだが合冊本でもそのまま。(←どうでもいいマニアックな揚げ足取り)(2003.10.30追加)
  10. FRI.29th,Apr.(1988)**「恋のアンモラルガール」**三人娘、銭湯にて。サカエの見事なプロポーションを目の当たりにしたミヤちゃんとなっちゃんは、何でこんな子がまだヴァージンなんだろうと訝しむ。(2003.10.30追加)
  11. TUES.17th,May.(1988)**「スウィート・ジャンキー3人組」**恋人のあっちゃんの浮気が発覚して静かに深く傷つくなっちゃん。傷ついた心を癒してくれるのは「スウィート・ドラッグ」…いちごショートケーキ、アイスクリーム、チョコレート等々…人生のシアワセは五月の晴れた空を見上げながら食べるアイスクリームにあり。(2003.10.30追加)
  12. SAT.18th,June.(1988)**「知性とダ性のめざめ」**梅雨の雨に降り込められてなっちゃんの部屋に集結した三人娘。ミヤちゃんは読書にいそしみ、なっちゃんは溜まりに溜まったジョン・ローンの記事の切り抜きの整理。カタツムリの形態模写に精出すサカエは、実は、本が読めないことが判明。生まれてからこの方最後まで読んだ本は3冊。「ぐりとぐら」「白雪姫」「植物図鑑」!(2003.10.30追加)
  13. WED.27th,July.(1988)**「Tokyoサマーガール's」**日本の夏は暑くて寒い。冷房の効きすぎ談義からプール談義へ。あの塩素の臭い!(2003.10.30追加)
  14. THURS.25th,Aug.(1988)**「金は天下の回りもの」**服を買うのをやめたはずのサカエは相変わらずビンボー。ミヤちゃん・なっちゃんにおごってもらってばかりで頭が上がらない。靴などショードー的に買ってしまうせいもあるのだが、ふと気が付けば、それよりも「根本的理由」があったのだ。「考えてみりゃ、ふたりとも、優雅な家付きのリッチガールじゃん」(2003.10.30追加)
  15. WED.28th,Sept.(1988)**「トレンドギャルはフリンでフラフラ」**1996年の合冊完本では「バカ女一生なおらず」に改題。友達が(悩みを相談するふりをして)自慢する不倫相手に会わされてみれば、ただのオヤジ。カッコイイフリンなんてTVの中だけ…(2003.10.30追加)
  16. MON.24th,Oct.(1988)**「日本晴れならエトランゼ」**近頃東京の街角に外国人を見かけることがフツーになってきたというただそれだけの話なのだが、1996年の合冊完本では「作者の希望」で削除された。何がまずかったのかは謎。外国人の流入というのは、バブル期を境に起こった社会の重要な変化の一つ(おそらく今の新宿・新大久保・池袋の外国人地帯というものは当時はまだ存在していなかったろう)であって、その兆候を街角の風景の変化として知覚した岡崎の感受性はさすがだと思ったのだけど… しつこく付け加えておけば「日本語の通じない場所」が生まれることによって初めて東京は本当の意味での「都市」に脱皮したのだ、と自分は思う。(2003.10.30追加)
  17. FRI.25th,Nov.(1988)**「ユウウツなニュースペイパァ」**一人暮らしがしてみたい、とつぶやく家付き娘のなっちゃん。珍しくサカエが説教。甘い、甘い。君はあのオソロシー新聞の勧誘に耐えられるのか?(2003.10.30追加)
  18. SAT.17th,Dec.(1988)**「クリスマスウイルスにご用心」**バブル期のクリスマスの情景がここにある。雑誌まるごとうのみにしたバカな男の子が、ドカチンとかしてクリスマスにかける。女の子に2万円の花束やシャネルのスカーフを送り、タキシード着て、有明系トレンドレストランで食事をし、赤坂プリンスホテルでエッチする… 「だ・さーい!!」「アッタマワルーイ!!」「クリスマスってそーゆー色欲に目のくらんだダサイカップルが街を汚すから や」「ホント タキシード着て電車に乗んないで欲しい」「ビンボーくさー」「そーゆー日には血を売ってでもタクシー乗れっつーの」…バブル、バブルというけれど、地上げ屋でもない一般人の実体はこんなもんだった、と自分も思う。今にして思えば、そこら辺の容赦のない視線が、浮かれる世相の中で一人暗く沈み込んでいた当時の自分にとって、爽快で仕方がなかったのかもしれない…(2003.10.30追加)
  19. FRI.20th,Jan.(1989)「ちょっと早いウエディングドレス」「あー 結婚したいな……」とぼそりと呟いたサカエ。目を剥くなっちゃん・ミヤちゃん。「もしかしたらウエディングドレス着たいだけなんじゃない?」(20031104追加)